2004年
3月15日(月)
其ノ十三
「つくり歌 詠み人知らず 継がれ行き 」
 今日の句に直接関係はないけれど、昨日詠んだ句の結果が、今日発表された。結局、高橋尚子選手はアテネの代表には選ばれなかった。
神様が人間に与えた試練がもたらした一つの結末だったのだろうか。
 僕は、作曲家として、三十年近く生きて来て本当に記憶の片隅にもない くらいの数の曲を生み出してきた。
今も歌われていたり、流れていたりする物もあれば、どこに消えてしまったのかも 分からない物もある。
  生み出した時の想いはどれも同じで、人々に出来るだけ長く可愛がられる子供 でいて欲しいと思っている。
  CMソングなどは、時代と共に生き、時代と共に死んでゆく宿命を背負って生まれ てゆく。そして、どれも皆詠み人知らずである。 作り手の名前も記されず、放送され、歌われ、消えてゆく。 それがCM音楽なのです

  昨夜テレビの特集で、今卒業式で歌われる歌の話が報じられていた。 『旅立ちの日に』という歌である。
  この歌が全国の卒業式のうち、165校で歌われたのだそうだ。 調査の範囲にもよるが、『仰げば尊し』などを抑えた、ダントツの人気曲になっていた。

 埼玉県にある、とある中学校に校長として赴任した一人の先生が、当時荒れ果てて いた学校に「歌声が響く学校に・・・」という想いから、校長として最後の卒業式の日に、 先生達の合唱によって卒業生に贈られた歌だったという。
 その後この歌は、その学校では勿論のこと、知らず知らずに全国に広がってゆき、 あちこちの卒業式で歌われるようになったらしい。

  「歌の力って凄いですね・・・」ってその先生は、驚きを隠せずに語っておられましたが 本当にそうなんだって思います。

 『歌』は一人歩きを始めるのです。

 人の心を動かした『歌』たちは、新しいエネルギーを持って、もっともっと多くの人たちの 心をめがけて、旅を始めるのです。

  これは本当に凄いことだと思いませんか?

  僕もそんな、『歌』、を生み出していきたいって心に強く思いました。

 

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