2004年
3月30日(水)

其ノ二十八
「勝ち組みの 奢りが招く 弱者狩り 」 
 今日の川柳は少し過激な言い回しになってしまったが、 昨今のニュース報道を見ていると事件の構造が今という 時代を象徴しているように思えてならない。

 六本木ヒルズ(森ビル所有)の回転扉で起きた幼児死 傷事故はその最たる物だと思う。
死者が出て初めて調査され明かされる致命的な不備。 メーカーによればもともと回転扉そのものに死角があり、 身長のごく小さい幼児などはその『死角』に入ってしまって、 センサーが察知しなくなっていたという事が明らかになった。
最初から判っていたのに、設置の際に細部に渡るチェック を半ば意図的に省いてしまう体質は、まさに繁栄による 勝ち組み側の理屈にすぎない。
予め看過していた『死角』の罠に落ちた者は「不運だったと 思え!」と宣告していることと同じように感じてしまう。
そしてそれは、勝ち組みによる弱者狩りと思っても仕方ない ことだと思うのだ。
 繁栄の陰に置き去りにされてゆく「思いやり」「弱い者たちへ の細心な配慮」と直面するたびに、ああ時代は何と冷酷な 物なのかと思う。

 昨日我が社に、今度催される予定のチャリティイベントの 打ち合わせに、東京都のある福祉団体の役員をされている 女性が四人訪ねて来られた。
イベントを企画するたびにぶつかるのはいつも決まって予算の ことである。
昨年の暮れに初めてジョイントして行った音楽朗読劇のイベ ントがとても好評だったことから、また来年一月に少し規模を 広げてやりたいというのがそもそもの始まりなのだが、今年に 入って、都の政策により福祉予算が大幅削られている現状 を嘆いておられた。
 世の中には、沢山の心や体の不自由な人たちや、介護の 必要なお年寄りたち、身寄りのない子供たち、などおおよそ 時代の繁栄とは無関係な生活を送っている人たちがいると いう。 様々な理由があるにせよ、人間は平等であることが 原則である。負け組みと言われる所謂弱者を思いやるよう な政策はないのだろうか。

今のままではますますその格差は広がってゆくだろう。 何かできることを探したい、探しつづけてゆくことが健常者に 与えられた大いなる責任だと思うのだが・・・・・・・・・。

 

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